どちらがOCR機能付き名刺管理アプリの決定版か?WorldCard Mobile vs CamCard!
みなさん、iPhoneで名刺管理を行ってますか?
以前、このブログでもOCR機能付きで名刺管理アプリの決定版といえる” WorldCard Mobile - 名刺認識管理 (¥2,300)”の紹介をさせていただきました。
それから、画像で管理する名刺管理アプリなどユニークな名刺管理アプリが多々登場したのですが、OCR機能の付いたWorldCard Mobileを購入した私としては、全く気にならなかったわけです。
ですが、このほどOCR機能付きで、WorldCard Mobileに真っ向勝負を挑んできたアプリが登場しました。それが” CamCard(名刺認識王 日本語) (¥2,300)”です。
機能的にどちらが優れているのか、CamCardはWorldCard Mobileを脅かす存在なのか、これから買うならどちらを選択するのがベターなのか、いろいろと気になるところです。
ということで、当ブログでもっともセレブな比較レビューをはじめてみたいと思います。名刺管理という実用的なアプリですが、高額ですので、購入に際して少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
1.基本情報
まずは、両者の現時点での基本情報を整理してみたいと思います。
WorldCard Mobile | CamCard | |
---|---|---|
開発元 | Penpower Technology Ltd. | IntSig Information Co.,Ltd |
アイコン |
|
|
価格 | 2300円 | 2300円 |
バージョン | 1.2.5 | 1.5 build ja02 |
無料版 | あり | あり |
両者の初版リリース日を見てみると、
- 2009-11-20 World Card Mobileがリリース
- 2010-03-13 CamCard Lite(無料版)がリリース
- 2010-04-06 CamCardがリリース
- 2010-04-30 World Card Mobile Lite(無料版)がリリース
無料版は両者とも機能制限はなく、利用頻度に制限がある方式を採用していて、これが全く同じなんです。
両者がお互いを意識しあっているのが、垣間見えて面白いです。
iPhoneで良アプリと言われるのアプリには必ずライバルアプリが存在しますが、CamCardがWorldCard Mobileに真っ向勝負を挑んできたことで、iPhoneの日本語OCR分野も未来は明るいのではないかなと密かに期待しています(^^)
2.画面一覧と特徴
次に画面の一覧と共に両者の特徴を示してみたいと思います。
WorldCard Mobile | CamCard | |
---|---|---|
ホーム | ||
設定 | ||
ヘルプ | ||
情報 | ||
アプリ内購入 | - | |
アプリ内カメラ | ||
画像調整 | - | |
エクスポート |
ホーム画面を見るとわかりますが、アプリの画面構成がかなり似ています。アプリ内カメラに自動保存設定があったり、共通点も多いのですが、後発のCamCardの方が特徴が少し多いでしょうか。
CamCardの特徴は、以下の通りです。
- アプリ内カメラに手ぶれ補正設定がある
文字を認識させるわけですから、以下に文字を鮮明に写真を撮れるかが鍵になります。手ぶれ補正機能があったからといって、画像の文字が鮮明になるわけではないのですが、iPhoneが静止状態になるまでシャッターを切れない設定があるのは、うれしいかもしれませんね。
- ヘルプが日本語
日本語認識のアプリなので、やはりヘルプが日本語なのは親切だなと思います。
- 認識までの少ないステップ数
どちらのアプリも、新規に写真を撮影もしくは既存の写真をロードするところから文字を認識させるわけですが、CamCardの方には画像調整画面がありま せん。つまり、写真を撮影した瞬間、写真をロードした瞬間に、有無を言わさず認識が始まります。WorldCard Mobileの方は画像調整画面で、写真の向きを調整してから認識させる必要があります。 - アプリ内購入を利用することで、中国語・韓国語の認識機能も使用できる
WorldCard Mobileで中国語・韓国語を認識させたい場合は別アプリなのですが、CamCardは、アプリ内購入(各115円)でアドオンとして認識させることができます。最近は、日本で働く外国の方々が増えてきました。私の会社も新入社員の1割程度は中国や韓国の方ですし、職場でも海外の方と働く機会が増えてきていますので、認識できる言語が多いにこしたことはないですよね。 これ実際に試してみました。
CamCardは、画像認識までのステップが極力少なく設計されていて、画像を撮影またはロード後に言語設定を変更するインタフェースをもたないので、認識が遅くなるかなと思いきやそうでもなかったです。
ただ、同じ画像を使用してもアドオンのありなしで、上の画像のように認識結果が異なることがありました。私の写真の撮影方法が悪かったかもしれないですが、やはり若干ステップ数は増えてもWorldCardの様に写真を撮影・ロード後に言語変更できるインタフェースがあった方が使いやすいかも知れません(^^;A
3.いざ比較!勝負の分かれ目は認識性能と管理性能か?
ここまで書くと、CamCardの方が少しだけ優勢に見えるかも知れません。
ですが、本当に重要なのは、ちゃんと日本語を認識できるのかという点と、iPhoneで名刺を管理をするのに適したアプリなのかという点だと思います。以下、個人的な思いで比較ポイントを列挙し、実際に使ってみて(50枚程度の名刺を認識させてみて)の意見を述べてみます。
オススメ | 評価コメント | |
---|---|---|
インタフェース | WorldCard Mobile | 全体に統一感があって使いやすいのは、WorldCard Mobileの方かなと感じました。エクスポートの画面なんて、連絡先アプリと見間違えるほど、iPhoneらしいインタフェースです。 |
認識速度 | WorldCard Mobile | どちらも速いのですが、ちゃんと計測してみると、WorldCard Mobileは平均して3〜4秒で日本語の名刺を認識するのに対し、CamCardは5〜6秒くらいかかっていました。カメラロールに保存してある英語の名刺の認識なんて、WorldCard Mobileは1秒もかかりません。 |
漢字認識 | WorldCard Mobile | どちらも優秀ですが、強いて言うならWorldCard Mobileの方が正確に認識していました。 |
ひらがな認識 | WorldCard Mobile | |
カタカナ認識 | WorldCard Mobile | CamCard、なぜか小文字カタカナやひらがなに認識されることが多かったです。「ア」が「ァ」になったり、「リ」が「り」になったり…。 |
英数字認識 | CamCard | メールアドレスやURLはCamCardの方が認識が上手でした。WorldCard Mobileは連続した英字を別の英字と認識してしまったりすることが多かったです。 |
記号認識 | CamCard | |
ふりがな | − | WorldCard Mobileはカタカナ、CamCardはひらがなでふります。 |
拡張性 | CamCard | ちょっと問題もありそうですが、中国語・韓国語を1つのアプリ内で認識できるようになってしまうのはすごい! |
管理性能 | WorldCard Mobile | 管理は断然WorldCard Mobileです。後述します。 |
あえて、どちらかを勝者にする体裁で書かせていただきました。
上表からもわかるかもしれませんが、私は現段階では、WorldCard Mobileをオススメします。
4.WorldCard Mobileをオススメする3点
では、私がWorldCardをオススメする理由を3点紹介させていただきたいと思います。
4.1.既存の連絡先とマージできる!
WorldCard Mobileは認識したデータを、単に連絡先に追加できるだけでなく、既存の連絡先にマージすることができます。
エクスポート画面の下の方に「現在の連絡先を結合」ボタンがあるので、これをタップすることで既存の連絡先についてはアップデートをすることができるんです。なぜか私の周りには名刺がちょくちょく変わる人が多い(笑)ので、こういう管理機能は重要だと思います。
4.2.秀逸な部分再認識機能
認識後にエクスポート画面から左上の「閲覧」ボタンをタップすると、画像調整画面にもどります。今度はそこから部分的に再認識させることが出来るんです!
青い線の四角で範囲を指定して、「認識」ボタンをタップすると、部分的に属性を再認識させることができます。一度目に全体を認識させるときよりも精度は上がります。こういった細やかな配慮ができるのがWorldCard Mobileの魅力だと思います。
4.3.WorldCard Contactsとの連携
別アプリですが、” WorldCard Contacts (¥230)”を使えば、iPhoneの連絡先とは別にWorldCard Mobileで取り込んだ連絡先をもつことができます。(グループ管理も可能)
私はiPhoneの連絡先には” MY辞書登録 (¥115)”を使って3000件ほどの語句登録をしているので、どんなアプリを使っても動作が少しモッサリしていしまうのですが、このWorldCard Contactsを使えばWorldCard Mobileで取り込んだ連絡先だけの管理もできるので、快適に使えます。
WorldCard Contacts、マイナーではありますが、インタフェースが相当かっこいいです(^^)Cardsタブでは、名刺のサムネイル一覧が閲覧でき、そこから様々なアクションが行えます。
名刺をタップすると連携できるアプリが表示されます。名刺を取り込んだ相手に対して、電話をしたり、メールをしたり、会社のホームページを閲覧したり、会社の所在を確認したりできます。これは、ビジネスシーンですごく役に立ちそうです(^^)
ただ、難点が一つあって、WorldCard Contactsに連絡先を登録までのステップが「WorldCard Contacts->WorldCard Mobile->WorldCard Contacts」とアプリを行き来しなければいけないことです。これが結構時間がかかる(^^;A
もう少し楽なフローでWorldCard Mobileだけの連絡先を登録できるようになれば、かなり活用できそうです。
5.まとめ
全体として、CamCardは認識に際してstrictな感じがしました。「名刺のフォーマットになってなければ認識しないぞ!」という雰囲気がアプリから伝わってきました。
対するWorldCard Mobileはというと「そこに文字らしきものがある限り、認識してみせるぞ!」というようなチャレンジ精神を感じたというか(笑)
なので、部分再認識の機能を使えば、自分のための辞書登録に利用するなんてマニアックな使い方もできます。
以上でレビューは終了ですが、両アプリとも結構な頻度でアップデートされていて、その都度確実に成長しています。今後も注目のアプリです!